動きを感じる絵とは何か

創作全般

漫画やイラストを見て、この絵からは動きを感じる、感じないとかいいますけど、具体的にどういうことなんでしょうか。

なにをもって動いている、動いていないと判断しているのか。その判断をしている基準がよくわかりません。たぶん指摘しているほうも、指摘されているほうも。

動きを感じる、感じないというのは感覚的なものです。
その感覚的なもので指摘されても、どう改善すればいいかわかりません。

動きのある絵を描きたいとおもったとき、どうやってポーズを決めればいいのか。

なにか基準になるものはないものかと考えていたら、ひとつの判断材料になるものを言葉にできた気がするので記事にします。

スポンサーリンク

止まった状態で再現できるか

描こうとしている絵と同じポーズを止まった状態で再現できるか

動きを感じる絵を描こうと思ったら、実際に自分で同じポーズをとってみて、再現できるかどうかで判断すればポーズを決めやすくなります。

止まった状態で再現できたら動いていない絵。

止まった状態で再現できなければ動いている絵ということです。

これを判断材料のひとつにすれば、闇雲に描いていたのが一転、目指すべき方向が見えてくるはずです。

デザインドールを使って詳しく解説します。


「歩く」という動きを例に解説します。
まずこの画像をみてどう感じますか?

歩いているように見えなくもない、まあ歩いているっちゃ~歩いている、といったかんじでしょうか。


漫画のように残像や擬音を足せば、かなり歩いているようにみえてきます。

でも、これは止まった状態で、上の画像のモデルと同じポーズをとれてしまうので、この記事の基準からすると「動いていない」ということです。


次の画像はどうでしょう。

間違いなく歩いているようにみえます。
でもまだ止まった状態で再現できてしまいます。


次はどうでしょう。
前に出した足は浮いている状態で、後ろにある足はつま先立ちの状態です。

「歩く」という一連の動きのなかでも、この瞬間のポーズを取り続けることは不可能です。

このポーズのように、絵と同じポーズをとってみて、取り続けることができない、同じ状態でキープできないポーズであれば、それを絵にすれば動いている絵になります。

上の画像のようなポーズの絵を描けば、残像や擬音がなくても、絵を見た人は歩いている、動いていると伝わります。


動きのある絵を描こうと思ったら、同じポーズをとってみて再現できるか、できないかで判断すればポーズが決めやすくなるはずです。